花はすの育てかた
はじめて花はすを育てられるかたのために、ていねいに解説します。
植替時期について
植替時期と冬季の保管方法について
蓮根の植え付け時期は、地域によって異なりますが、凍結しなくなるころの3月第2週を過ぎたぐらいから先が適当かと思います。一気に植え替えが難しいからと思って12月末頃から植え替えたこともありましたが、多くの苗が発芽せずに、残念な結果を迎えたことがあります。
基本的に秋からは蓮は休眠期に入りますので、水分さえ保てば保管できると思います。ただ、凍結が問題で、植え替えずに越冬した鉢の蓮根はほぼ生きていますが、植え替え後に完全に凍結した場合(凍結を重ねて鉢の底まで凍ってしまった場合)は、紫色に変色してしまい、だめになってしまう確率が高いと思います。
12月末以降、苗を購入される方は、たとえば、倉庫に水桶を置き、その中に水をはり、蓮根を浮かべておく。そして、おひさまが当たらぬように、そして、暖かくならぬように(季節外れの発芽をさけるため)保管し、3月末になると、その桶ごと外に出し、お日様があたるようにし、発芽しかけたら、植え付けると、ほぼうまくいくと思います。
暖かくなれば、植え替えはいつでも大丈夫ですが、その年に花がみたいのなら、やはり、3月末から4月中頃までの植え替えが好ましいと思います。
栽培容器について
植替時期と冬季の保管方法について
容器については、よくネットでバケツ栽培とか書いてありますし、昔から、茶碗で咲かせる風習もあります。確かにそれでも花は咲きますが、小型品種であれば、プラポットの8号以上、中型品種であれば、10号以上、大型品種であれば、12号以上で栽培するとしっかりとした花を何度も咲かせることができるでしょう。
容器が小さくても咲く場合もありますが、新芽がのびる場所を失い、いくつも花を咲かせることが困難になります。また、鉢が大きくなりすぎると、掘り起こし作業の折に、蓮根が折れてしまい残念なことになりかねないので、適当な容器でお育てになられるのがよいかと思います。
それと、よく火鉢を使われる方がおられますが、上部がすぼんでいるために、植え替えの時に掘り起こしが難しくなります。できれば、上が開いているか、まっすぐのものをお勧めします。
具体的には、大和プラスチックの鉢カバー ツリーの8号鉢、10号鉢、12号鉢とか、平和工業の「万能容器」と呼ばれる30㍑、45㍑の容器がお勧めです。
万能容器はまとめ買いすると安く買えて、しかも広口で蓮栽培にはいいのですが、底が浅いために、水やりが少し大変になりますのでご注意を。そして、大きな品種はもう少し大きな60㍑の容器がお勧めです。
容器が青や緑の場合は、根っこが日焼けしてあまり成長しない場合があります(花は咲きますが、細長く緑色の蓮根となってしまいます)ので、塗料で黒く染色するか、黒いもので(たとえば、防草シートやプラ板で覆う)覆ってやるとよいのではないかと思います。
土について
植替時期と冬季の保管方法について
土は、田の土が一番です。ただ、地域によっては中々田んぼの土を入手するのは難しいと思うので、そういう場合は、ホームセンターか園芸店で、赤玉土か荒木田土と、腐葉土(黒い土)を購入し、比率は4(赤玉土もしくは荒木田土)対1(腐葉土)で、かたまりがなくなるまで、しっかりと混ぜ合わせてお使いください。(結構体力がいります)
植え替え時には、籾殻燻炭(もみがらくんたん)をふた握りほど混ぜてやるとよいのだと聞いたことがあります。
春には、肥料を混ぜる方もおられますが、肥料負けすることもあると思いますので、専門店で売っている少し元気な苗を植え付けて、立葉が4~5枚上がったころに肥料を与えてやると、よいと思います。
肥料について
植替時期と冬季の保管方法について
肥料は、植付け時は、基本的に蓮根に養分があるし、土にも養分が含まれているので、私は使いません。発芽以降、立葉が4~5枚あがってきたら、化成肥料の「8・8・8」とか「10・10・10」と袋に書いてあるものがホームセンターで売ってますので、それを使います。鉢のうえから、まんべんなくまきます。だいたいの感覚ですが、ひとはちにつき、片手で一握りの半分ぐらいはやってます。
この施肥をはじめたら、花が終わり、葉っぱが枯れてしまうまで、継続的に3週間に一度のペースで肥料を与えてください。蓮は「肥料食い」といわれて、たくさん肥料が必要です。適切に肥料をやると、大きく成長し、しっかりと花が何度でも、しかも長い期間咲きます。また、しっかりした蓮根が収穫できます。手をかけてやれば、それだけ楽しみも増えます。
害虫対策について
植替時期と冬季の保管方法について
<アブラムシ対策>
発芽したら、まもなく、アブラムシがでてきます。茎や新芽にぎっしりつきます。私はオルトランの粒剤を水中に入れます。量は、ひとつまみ程度やってます。しばらくの間、効くと思います。また、発生したら、そのときはまた薬を入れてやってください。
<ボウフラ対策>
水をためておけば、どうしてもボウフラが発生します。蚊が発生する元となるので、対策が必要です。鉢でメダカを飼うといいと思います。メダカを飼っている鉢で、アブラムシ対策のオルトランをやっても、メダカは生きています。問題ありません。
ただ、水が切れたら死んでしまうので、ご注意を。それから、暑い頃には水温が下手をすれば50度を超える場合もあるので、そういう場合は死んでしまうので、日陰を作ってやるとか、水量を調節してやってください。温かくなればすぐに産卵がはじまります。産卵床を浮かせて、2週間で孵化し、生まれた子どもを親は餌と間違い食べてしまいますので、産卵床を浮かせてから2週間たてば、その産卵床を、別の親のいない鉢に移動してやってください。次々と子どもが生まれてきます。
水の量について
植替時期と冬季の保管方法について
<水の管理について>
発芽しかけたら、水の管理に注意してください。だいたい土から15cmぐらいの水量を保ったらいいと思います。立葉があがるまでは、浮葉がでますが、この浮葉が水中に水没してしまわないように、水量を調節してください。あまりにも水量が多すぎて、水没期間が長すぎると枯れてしまう場合があります。梅雨の辺り、注意が必要となりますが、立葉があがりだすまでの辛抱です。
<シーズンオフの時期の水管理について>
地表部の葉っぱが枯れたからといって、れんこんは、水なしではいきられません。少なくてもいいですが、春まで水を絶やさないように気をつけてください。
剪定について
植替時期と冬季の保管方法について
<剪定について>
葉っぱの量がふえてきましたら、適当に剪定してやってください。
多くの葉っぱに養分がとられてしまうので、古い葉や、傷んだ葉などから順に根元からカットして、全体で三分の一ぐらいの量にへらしても大丈夫だと思います。切ってやると、養分が新芽にまわり、新しい花につながったり、長期間咲く可能性が増えます。
<オフの時期の葉っぱについて>
葉っぱがしばらくはそのまま切らずにおいてください。完全に枯れてしまったら、切っても問題ないと思います。地下ではしっかりと成長が続いています。
株分けについて
植替時期と冬季の保管方法について
<掘り起こしについて>
基本的に3月に入れば問題ないと思います。(地域にもよりますが)
鉢の水を捨ててから、鉢の地表部からでている茎をカットします。カットしておかないと、掘り起こしの際に茎が絡まり、新芽をおってしまうリスクが高くなりますので、面倒でもカットをお勧めします。
鉢をひっくり返し、底部の真ん中に手を入れ、土をのけ、ほぐしやすくします。(最初に中心部の土をのぞくことによって、根っこがほぐれやすくなります。)
その後、周囲にある芽の先端部を見つけ、新芽を折らないように気をくばりながら、はがしていきます。複数本ありますのでご注意を。
蓮根をよく見ていると、途中で分岐しているところが必ずあります。その分岐しているところの手前でカットするとよいと思います。大きな塊をそのまま取り出そうとすると、他の芽に付加がかかり折れてしまう確率が高くなります。実際、大きな芽がとれたからといって、そのまま植付けできるわけでもありませんので、分岐手前ぐらいで切断してやるのがよいと思います。
だいたい、二節+根っこあたりで、一苗と考えたらよいと思います。一般に流通している苗もそんな感じです。掘り起こしたあとは、必ず水につけてください。
どうしても事情で1月頃から掘り起こされる場合は、蓮根は休眠期であるから、問題はないと思いますが、完全凍結だけは避けてください。植付けまで間がある場合は、お米用の冷蔵庫など、温度が低温で管理できるところに、ビニールに水を入れた状態で保管されると、長期保存できると思います。
以上、浅学ながら、気づいたことを書かせていただきました。
実生栽培
植替時期と冬季の保管方法について
考え中です。
病気について
植替時期と冬季の保管方法について
⑧<葉っぱの色がおかしい>
pHメーターをおもちの方は、測定してみてください。酸性化している場合もありますので、その時は苦土石灰を入れて中和してやってください。
配管について
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メダカについて
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鉢の間隔について
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⑨<鉢の配置について>
鉢の間隔を開けてやったほうがいいとおっしゃる方もおられますが、蓮は自然界の競争し、密集の中で大きくのびる植物ですので、私は、管理しやすい程度でいくつかの鉢をくっつけて配置してやると蓮はよろこん競争し、成長すると思っています。これは、それぞれご意見がおありでしょうから、それぞれで、ためして見て下さい。
根っこが浮いてきたら
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<根っこや新芽が浮いてきたら>
根っこや新芽が浮いてきたら、とても気になります。無理に埋め戻そうと押し込もうとすると折れたりする場合もあります。しかし、心配でしょうが、そのまま放っておいたら、必ず地中に戻ります。蓮の生きる力を信じてやってください。大丈夫です。
発芽してこない場合
植替時期と冬季の保管方法について
⑤<発芽してこない場合>
蓮には個体差があるので、一概には言えないのですが、多くの蓮が発芽してきているのに、発芽してこない場合があります。
そういうときは、芽をおらないように気をつけて、掘り起こしてみて下さい。枯れている場合もあります。枯れているかどうかの判断は、掘り起こした蓮根を浮かせてみてください。浮くなら生きてます。沈んでしまうものは、あきらめてください。
浮いたものは植付けずに、そのまま水面に浮かせて日光をあて、発芽したら埋め戻してください。
沈んだ場合は、残念ですがあきらめて、予備苗を植付けてください。
考えられることは、凍結によって枯れたか、深く植え込みすぎて、発芽できなかったかだろうと思います。お日さまをあててやると発芽するケースもあるので、あきらめずに。
植え付けかた
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<植付け方>
元々自然界で勝手に繁殖するほど生命力の旺盛なものですので、あまり慎重になりすぎなくてもいいと思うのですが、ひとつは、先の芽をおらないように気をつけてください。(仮に芽がおれた場合でも、よく探してみると、芽の周辺に新しい小さな芽が隠れている場合がよくありますので、芽が折れたと思って切り捨ててしまわずに、そのまま植えておかれると、発芽している場合がありますので、あきらめずに、とりあえず植え付けてみてください。)
練り込んだ土を鉢に半分ほど入れ、土が沈んでしまうぐらいの量の水を入れ、しばらく待ちます。(10分ほどでいいです。)勝手に水が土のすきまに浸透しますので、そうすれば、土は軟らかくなります。
そこへ苗の新芽をおらないように気をつけながら、右手で底をほりながら、無理のないように左手で上からゆっくりと水平(やや先端が下にむく程度)に押し込んで、鉢底よりも少し手前で止めてください。深い鉢で底まで入れてしまうとなかなか発芽できない場合もありますので、ご注意を。
植付け後、また10分ほどおいて、土が落ち着くのを待って、そろっと水を追加してください。あまり水を急にいれるとレンコンが浮いてきますので、ご注意を。
その時は、もう一度苗を埋め込んで、もう少し時間をおいて、土の中にレンコンが収まったら、そっと水を追加してください。
あまりお勧めしませんが、寒冷期の1月2月に植え替えをされる場合は、凍結を避ける為に、水を満水することをお勧めします。凍結の心配がない場合は、少なめでもかまいませんが、必ず土が水面下になるように気をつけてください。